Conviction

一般社団法人那覇青年会議所
第61代理事長 所信 新里 亮太

2023年 スローガン

認め助け合う
温かい社会を目指して

はじめに

沖縄県出身である私が大学進学で上京して長らく沖縄を離れ、ちょうど今から10年前に故郷へ戻って間もない頃、ナイチャー(沖縄県外出身者)の仕事仲間から言われた一言を未だ鮮明に覚えている。「ウチナーンチュ(沖縄県出身者)には主体性がない」。非常に憤慨したが、一方でウチアタイ(身に覚えがある)した部分もあった。2022年に本土復帰50周年という大きな節目を迎える沖縄県は、一括交付金制度や沖縄振興特別措置法という比較的恵まれた国からの支援を得ながらも、一人当たり県民所得は最下位で深刻な貧困問題を抱えている現状がある。歴史的背景や地理的要因もあるが、事実結果として現状を受け止めなればならない。国や過去のせいにはしたくはない。未来のために主体性あるウチナーンチュへ、ここから私達が変革の起点としてはじめていこう。大丈夫。何も卑下することはない。嘉手苅林昌の代表曲「時代の流れ」の歌詞にこの様なフレーズがある。「唐の世から大和の世、大和の世からアメリカ世、ひるまさ変わたるこの沖縄」。琉球王国時代から多様な文化を受け入れ変化しながら、今日までグローバリズムとアイデンティティーを共存しつつ、大切に悠久の歴史を刻んできた誇りが我々にはある。認め助け合う文化が先天的にマインドセットされていることは、沖縄を訪れる多くの方々がその温かさに触れ、癒されることで既に周知のとおりであると言え様。もしかしたら沖縄がグローバルスタンダードであって、未来の豊かな社会のドアを開ける鍵を持っているのかもしれない。さぁ、今ここから認め助け合う温かい社会を目指して、その鍵を探す旅に出よう。

【地域課題解決室】~沖縄の課題に対しダイレクトアプローチ~

■沖縄経済創造委員会

戦後沖縄県の経済は、米国施政権下の戦後復興や高度経済成長下における我が国の経済発展の過程から切り離されていたことなどもあり、総じて第二次産業が振るわず、基地依存の消費型経済の構造が形成されました。復帰から現在までもベースは変わら
ず、観光経済を中心とした第三次産業を主軸とする産業構造が県民一人当たりGDPの低さたる所以であると言われている。復帰50周年を迎え新・沖縄21世紀ビジョン基本計画も発表され強くしなやかな自立型の沖縄経済を目指す新たなフェーズに入った今、この動きを加速させるために現場で躍動する若い青年団体である我々JCが、主体的に沖縄県経済の課題について共に考え行動することは、県民所得を早期に押し上げる可能性を秘めているといえる。

■貧困課題解決委員会

全国的に少子化が進む中、全国トップで高い出生率を誇る沖縄県ですが、同時に子どもの貧困率も全国トップであり明暗分かれた社会的背景が存在している。低い県民所得がもたらす経済的困窮や、全国平均の約2倍の水準である一人親世帯の増加が主な要因として考えられており、貧困家庭で育った子供が十分な教育の機会を得られず育ち、更なる貧困家庭を生む負のスパイラルが存在している。負のスパイラルを断ち切るべく、貧困に苦しむ家族に向けた支援は必要不可欠であり、地域社会がその課題に持続可能に向き合う仕組みづくりを行うことで、誰一人取り残さない温かい社会を目指す。

【一体感交流室】~資源を見つめ直し会員相互の絆を深める~

■国際平和交流委員会

現在3か国の姉妹JCと友好締結を結んでいるJCは日本全国見渡してもないだろう。25年に渡り、友好関係を結んでいるJCI台北四海、JCI香港北區の会員たちと友情を深めてきた。また2020年には世界の金融センターとして名高いシンガポールに拠点を置くJCIマンダリンとも友好締結を結んだ。ここ3年は世界的なパンデミックにより対面での交流が制限されている中、来年は世界的にワクチン接種が浸透し、海外渡航の制限も段階的に解除される見込みである。ウクライナ情勢に鑑み平和の尊さが叫ばれる現在、日本で唯一地上戦が行われた沖縄が持つ固有の平和地域資源を武器に海外姉妹JCとの交流事業を再開させたい。

■文化人財交流委員会

沖縄は長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育むとともに、古来、アジア諸国との交易を通じて多様な文化を受け入れ、洗練された独自の多様な伝統文化を創り上げてきました。会員育成(特に新入会
員)を目的に伝統的に運営されてきた本委員会に沖縄の文化を見つめなおすエッセンスを加えたのが文化人財交流委員会である。地域を文化的側面からより深く知りながら、「修練」「奉仕」「友情」を育むことでより一層会員へ付加価値が感じられる組織運動を展開する。

【魅力再構築室】~新時代に対応したガバナンス改革を~

■広報拡大委員会

2022年広報委員会が躍動しHP開設から会員紹介や歴代インタビュー等、これからの那覇青年会議所広報の礎を築いてきた。引き続きこの「見えるJC」をコンセプトとしながらオープンな活動発信を継続し、魅力を伝える延長上に会員拡大のミッションを加えることで昨今伸び悩む会員数減少に歯止めをかけていきたい。JCの魅力を発信し続けることは事業の活発化や対内の活性化を生み、それが必ず新たな会員を呼ぶ込む原動力になるものと信じている。また、女性会員比率の向上と業種拡大(既存会員に無い業種の取り込み)には特に力を入れていきたい。多様な価値観を持つより多くの会員がその違いを認め助け合いながら運動することが、新時代に発展する組織にとって最も大切ことである。

■総務改革委員会

JCを語る上で欠かせないのが、長い歴史の中で確立し洗礼された会議及び組織運営である。これが経験できるだけでも年会費を払う意味を感じられるほど、ガバナンスの集大成がここに詰まっている。しかしながら、時代の転換期を迎える今、変わっていかなければならない課題も存在する。働き方改革はここJCにおいても無視できない問題である。修練も大切であることは間違いないが、デジタルツール等を活用し、質を維持向上しつつ効率的な組織運営を行う必要がある。諸先輩方が築き上げてきた良き文化をしっかりと後世に残していくためにも、温故知新で持続可能なJCを目指し、変わることを恐れずチャレンジしていきたい。

結びに

私はJCに自社や業界では経験できない様な刺激と成長の機会を求めJCの門戸を叩いた。扉の先には多様な価値観に触れ自分自身を全力で表現し成長できる機会に溢れていた。皆さんはJCに何を求めますか。何を求めてJCへ参加したのか。ビジネスネットワークを築きたい人、社会奉仕したい人、組織論を学びたい人、明るい豊かな社会を目指す上で百人百様であってよいし、むしろそうあるべきなのである。各々が求めるベクトルにマッチできれば、エンゲージメントが高まり主体的な運動へと繋がるだろう。ただし一つだけお願いしたいルールがある。それは認め助け合う思いやりを持つこと。

This world would be a whole lot better if we just made an effort to be less horrible to one another.

「お互いが少しでも思いやりを持つように努力すれば、この世界はずっと良くなるでしょう」

2020年トランスジェンダーであることを公表したエリオット・ペイジの言葉である。認め助け合う温かい社会を目指して、ここJCから運動へ変えていこう。地域が、そして世界が豊かになるために。

行動指針

其の一   評論家じゃなくて当事者になろう
其の二   チャレンジを応援しよう
其の三   家族と社業に感謝しよう